その症状、本当に更年期?

  • 2023.06.26

女性のライフステージは卵巣機能の活動によって大きな体調の変化を経験することになります。 更年期とは、閉経前の5年と閉経後の5年を合わせた10年間を指します。産婦人科学会では、「閉経」を月経が12カ月以上なかった状態と定義しており、日本人の平均閉経年齢は50歳とされています。閉経年齢は個人差が大きく、40代前半から50代後半までさまざまです。したがって、更年期の発生時期もさまざまです。 更年期の原因は、女性ホルモンであるエストロゲンの低下ですが、エストロゲンは揺らぎながら減少していく...

乳腺外来のご報告

  • 2023.06.07

いつも当院をご受診いただきまして、誠にありがとうございます。 4月と5月は、会社の健診により要精査となって当院をご受診いただく方が多くいらっしゃいました。急に気温が上がり、皮膚のトラブルに関するご相談も増えました。特に5月においては、治療が必要な結果となる陽性率が非常に高く、診察の際には大変複雑な思いを抱えました。 これまでも、定期的に乳がん検診を受けられている方々でも、検診と検診の間の中間期に乳がんが見つかること(中間期乳がん)が多くありました。直前のマンモグラフィ検診では異常が...

乳がんと診断されたら

  • 2023.04.30

針生検を施行して、残念ながら乳がんの診断となった場合、手術や抗がん剤治療の出来る大きな病院へご紹介となります。多くの症例を扱っているがん専門病院や大学病院、職場やご自宅からのアクセス面で便利な病院、かかったことのある総合病院など選ぶ基準は様々です。 乳がんの診断となりとてもショックを受けられていると思いますが、一つ一つ出来ることを順番に行うことになります。紹介された病院の受診日までの時間がとても長く感じられ悩まれることもあるかと思います。しかし、一般的な乳がんの場合、診断から治療開始まで...

乳がん検診で要精査となってしまったら

  • 2023.04.11

全国の乳がん検診受診率は、人間ドック等の任意型を含めるとおよそ45%と言われています。韓国では64%、欧米では72~80%(厚生労働省の2015年の発表による)と国際的にもまだまだ低い状況です。子宮頸がん検診も大まかに同様の傾向にあります。女性のがんで1番多いのが乳がん、5番目に多いのが子宮がんです。乳がんは40代後半、子宮頸がんは30代後半と若い世代でピークになり、早期発見にて治る見込みのある病気のため、定期的ながん検診が有効です。 乳がん検診で要精査となってしまう方は、全国平均では5...

開院一周年を迎えました

  • 2023.04.01

いつも当院をご受診いただきましてありがとうございます。お陰様で開院一周年を迎えました。多くの患者様にご受診いただきまして大変嬉しかったです。近隣の医療機関の皆様をはじめ、連携病院の先生方、医師会の先生にもご指導いただき、感謝の気持ちを感じながら診療に当たっています。 一年を振り返ってみますと、婦人科は10代~30代の若い方の受診が多かったのが印象的でした。最初は緊張されていた患者さんが治療をしていくにつれ、体調や症状についてよく話してくださるようになったり、症状が軽快している様子を確認で...

子宮頸がんワクチン;シルガード9について

  • 2023.02.14

2023年2月8日に厚生労働省は、4月からの定期接種に9価HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン;シルガード9を公費で開始できるようにすることを発表しました。 参照:https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/001054091.pdf 実際に接種開始となる時期は各自治体によるとされており、市川市でも4月の接種開始を予定しているとのことです。https://www.city.ichikawa.lg.jp/pub10/1111000029.htm...

ワールドキャンサーデー

  • 2023.02.05

まだまだ寒い日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。新型コロナウイルスに加えてインフルエンザが流行っている中、先週は電車で中学受験の親子さんを見かけました。大変な環境の中、お疲れ様です。 さて2月4日はワールドキャンサーデーでした。世界中で人々が、がんに対する知識を深め、どう立ち向かっていくかを考える日になっています。コロナ禍で検診受診や病院受診を控える傾向となり、その結果、世界中で早期がんの発見が少なくなっているとの報告でした。 子宮頸がんは、ワクチンでの一次予防と子宮がん...

本年は大変お世話になりました

  • 2022.12.28

いつもご受診いただきましてありがとうございます。今年4月に開業し、お陰様で2022年の診療を無事に終了しました。女性ならではの不調を抱えた様々な世代の患者様にご受診いただいて、微力ながらお力になれたと実感でき、開院してよかったと心から思えました。 当院では医学的根拠に基づく治療法を提案し、患者様と共に選択決定していくshared decision makingの考え方を重視しています。情報が溢れ選択肢の多い現代であり、迷われることもあるかと思いますが、患者様やご家族に寄り添いながら診療す...

コロナにかかった時のピルやホルモン補充療法について

  • 2022.11.22

これまでは新型コロナウイルス感染時の低用量ピルやホルモン補充療法などのホルモン剤の使用を中止することが推奨されてきました。これは血栓症の増加が懸念されていたためです。 しかし2022年10月に日本産婦人科学会は、この指針が以下の通り変更になったことを発表しました。 ・軽症や無症状の場合は、内服を継続してよい ・入院を要する中等症、重症例では中止する WHOを含む海外の多くの報告から、コロナ感染の血栓症のリスクが有意に高くないこと、ホルモン剤使用が血栓症を増やすと...

婦人科受診がご不安な方へ

  • 2022.11.18

4月に開院させていただき、初めての婦人科受診先として当院にお越し下さる患者様と接し、受診までの経緯やお気持ちを伺う機会をいただいております。10代の患者様も多く、症状がある場合は診察しなければならないのですが、内診台での診察は患者様の同意なしには行いませんので、ご心配されずお気持ちを伝えていただいて対応しております。 困っていたけれど受診できなかった理由で多いのはやはり恥ずかしい、そして痛みを伴う検査をされるのではないかというご不安です。お困りの原因や病気が隠れていないかを診察す...