その症状、本当に更年期?

  • 2023.06.26

女性のライフステージは卵巣機能の活動によって大きな体調の変化を経験することになります。

更年期とは、閉経前の5年と閉経後の5年を合わせた10年間を指します。産婦人科学会では、「閉経」を月経が12カ月以上なかった状態と定義しており、日本人の平均閉経年齢は50歳とされています。閉経年齢は個人差が大きく、40代前半から50代後半までさまざまです。したがって、更年期の発生時期もさまざまです。

更年期の原因は、女性ホルモンであるエストロゲンの低下ですが、エストロゲンは揺らぎながら減少していくため、症状が激しくなったり緩和されたりすることがあります。社会・環境的要因や心理的・性格的要因にも影響を受けることが分かっています。

主な症状には、ホットフラッシュ(ほてりや発汗)、疲労感、めまい、動悸、関節痛、頭痛、肩こり、冷えなどがあります。精神的にも気落ちしたりイライラしたり、不眠や情緒不安定になることがあります。

更年期症状は多様ですが、これらの症状が他の疾患から起こっていないことを確認する必要があります。

更年期症状と類似しているため、以下の疾患等を除外診断する必要があります。

1.月経前症候群

2.貧血

3.甲状腺機能異常

4.うつ病

5.片頭痛

6.不整脈

7.メニエール病

8.新型コロナウイルス感染の後遺症

更年期症状に対するとらえ方も個人差が大きく、自分だけかもしれないと悩んでいる方も多いです。更年期だから仕方がないと諦めるのではなく、不調の原因を調べ、適切に対処することが重要です。当院では検査によって1~3は調べることが出来ます。

また、乳腺外科としては、40代後半~50代前半の女性の乳がん発症率が最も高いことが知られています。定期的な乳がん検診を受けていただくことを強くお勧めします。