子宮頸がんワクチン;シルガード9について

  • 2023.02.14

2023年2月8日に厚生労働省は、4月からの定期接種に9価HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン;シルガード9を公費で開始できるようにすることを発表しました。

参照:https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/001054091.pdf

実際に接種開始となる時期は各自治体によるとされており、市川市でも4月の接種開始を予定しているとのことです。https://www.city.ichikawa.lg.jp/pub10/1111000029.html

2021年11月から勧奨となった4価HPVワクチン; ガーダシルの接種をされている方は、そのまま3回目まで同じワクチンを接種することが、効果と安全性の面からWHOや諸外国でも勧められてきました。

(ガーダシルを接種後にシルガード9に変更する、「交互接種」についての一定程度の効果があったことから、4月以降に指針が変更になる可能性はあります。)

ガーダシルの利点

1)これまで数億本を世界各国で接種した実績があり、日本を含め諸外国でも有意な副作用を認めなかったことが報告されています。

2)北欧での長期フォローアップ試験で、接種後14年経過の時点でHPV関連の子宮頸がん前がん病変が認められなかったという、有効性が示されています。

3)子宮頸がんの原因となるHPV16型、18型というリスクの高いタイプのHPVウイルスに効果があり、若い世代の子宮頸がん患者さんのほとんどがこの2つのタイプのウイルス感染によるとされており、この2つの高リスクタイプをカバーしています。

シルガード9の利点

1)高リスク型HPVの16, 18, 31, 33, 45, 52, 58と低リスク型HPVの6, 11の9型に対して予防効果を認めています。

2)52型、58型はアジア人に多いと知られており、日本における子宮頸がんのHPV分布においてガーダシルが65%だったのに対して88.2%をカバーします。

3)日本人も参加した交際共同試験で有効性と安全性が報告されています。

子宮頸がんは、ワクチン接種によって予防出来る疾患で、北欧をはじめとした諸外国での罹患率は大幅に減少しています。性交渉によってHPVは感染するため、17歳未満で性交渉の経験のない間に接種することで有効性が認められており、接種の時期が大切です。

体調の良いときに接種する、過度なストレスや不安をかけない等は心がけて頂き、安心して接種出来るように対応していきたいと思います。