低用量ピルとは

  • 2024.04.27

4月としては記録的な暑い日が続いたり、急に涼しくなったりしておりますが体調はいかがでしょうか。新生活が始まり、生理痛のご相談やピルのご相談が多く、受診を悩んでいる方も多いのではないかと思います。

ピルというと、「友達が飲んでいて楽になったと聞いたので、是非ほしい」「生理痛がひどいので試してみたい」という処方のご希望をもって受診してくださる若い方と、「将来的な妊娠に影響するのでは?」「私の時代、生理は我慢するものでした」「ピルは怖いので」というお母様世代とで意見が分かれることがあります。

低用量ピルに関する治療ガイドライン(OC・LEPガイドライン 2020年度版)でも、メリットがデメリットを大きく上回ると示唆されております。注意しながら内服することで快適な生活を送れる可能性が高く、国際的には随分前から広く普及しています。

「ピルとは」

女性ホルモンであるエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)が含まれ、1日1回決まった時間に内服していただくことにより、排卵を抑えることが出来、子宮内膜の成長を抑えるため、生理が軽くなるというものです。

「低用量ピルとは」

低用量ピルとは、従来のピルよりも少ない量の女性ホルモンが含まれています。これにより、副作用やリスクが減少し、多くの女性にとってはより安全で使いやすい選択肢となっています。

<良い点>

1)生理痛が軽くなる: 生理痛や月経不順を緩和する効果があります。

2)生理周期が整う: 月経周期を規則的にする効果があります。

3)月経前症候群(PMS)の改善:PMSに関しても一定の効果が見込めます。

4)卵巣がん・子宮内膜がん・大腸がんのリスクが下がることが分かっています。

<自費適用ピルの良い点>

1)避妊: 適切に使用されると、妊娠を防ぐ効果があります。

2)肌荒れ:ホルモンバランスを整え、肌荒れやニキビの改善が期待できます。

<注意が必要な点>

1)血栓症のリスクが上がる:下記の方では血栓症のリスクが上がるため慎重な検討が必要になります。

・BMI(体重kg ÷ 身長m2)が25以上の方

・前兆を伴う頭痛をお持ちの方

・喫煙者

・40歳以上の方

海外の報告のよりますと、ピル内服中の血栓症の年間発症率は1万人に3-9人であり、内服していない人たちの年間発症率は1万人に1-5人であったとのことです。有意差はないことが言われています。

2)毎日の定期内服、副作用の管理が必要になります。

3)子宮頸がんのリスクが若干高くなります。乳がんのリスクがわずかに上がる可能性があります。どちらも当院での検診が可能です。

内服に際してして問診を行い、定期的に採血・超音波検査・がん検診を行い、安全を確認しながら処方していくこととなります。

低用量ピルで太りやすくなる、将来の妊娠に影響するといったことは認められておりませんが、過度に緊張や不安が強い方は以下の方法を試していただいてもよいかもしれません。

・痛み止めの定期内服: アスピリンやイブプロフェンなどのNSAIDsと言われる痛み止めは、生理痛を軽減する効果があります。生理痛が始まる数日前から定期的に内服することで、痛みの緩和が期待できます。内服薬で効果がない場合は坐薬がお勧めです。

・使い捨てカイロや温かい風呂:筋肉を緩め、生理痛を和らげることができます。

・適度な運動: 軽い運動やストレッチをすることで、血液循環が改善され、生理痛の緩和に役立つことがあります。

・ストレス管理: ストレスが生理痛を悪化させることがありますので、リラックスするための方法やストレス管理技術を学ぶことも重要です。

・食事の改善: マグネシウムやビタミンB6を含む食品を摂取することが、生理痛の緩和に役立つとされています。

・漢方薬:当帰芍薬散、芍薬甘草湯の内服が生理痛に効果があることが知られています。1日3包の内服を長期的に行います。

・鎮痙剤:ブチルスコポラミン(ブスコパンⓇ錠)などの鎮痙剤投与が有効である ケースもみられます。

生理による負担が軽くなり、少しでも快適な新生活が送れるようサポート出来れば幸いです。