マンモグラフィとエコー(乳房超音波)、両方受けることが必要か?

  • 2022.09.25

マンモグラフィ検査とは乳房専用のレントゲン検査のことです。専門の板で乳房を圧迫し、薄く伸ばしたままで撮影します。マンモグラフィ検診により、乳がんの早期発見が可能となり、死亡率の低下が科学的に証明されています。石灰化というカルシウムの塊が見える方が多いですが、石灰化はエコーでは指摘できません。多くの石灰化は良性で問題ありませんが、しこりを感じない初期の乳がんの場合に石灰化が認められることがあります。

エコー(乳房超音波)検査は、体の表面に超音波の出る器械をあてることで、体内から跳ね返ってくる電気信号を画像に表す検査です。のう胞と呼ばれる水の袋や、線維腺腫という良性のしこりを見つけるのに適しています。マンモグラフィでは写らない小さな所見を発見出来る場合もあります。被爆がないので、妊娠期にも受けることが出来ます。乳腺の組織が豊富な日本人にとってエコーでの乳がんの早期発見の有用性が示されています。

役割の異なる検査のため、どちらか一つがもう一つよりも優れている訳ではありません。20代・30代はエコーを推奨されることが多いですが、マンモグラフィにしか写らない石灰化がないかは撮ってみないと分かりません。若い方に多い高濃度乳腺に関しても個人差があります。患者様おひとりおひとりの症状、検診結果、家族歴などを考慮し、検査を提案させていただきます。ご不明な点がありましたら、遠慮せずにご質問なさって下さい。