コロナにかかった時のピルやホルモン補充療法について
- 2022.11.22
これまでは新型コロナウイルス感染時の低用量ピルやホルモン補充療法などのホルモン剤の使用を中止することが推奨されてきました。これは血栓症の増加が懸念されていたためです。
しかし2022年10月に日本産婦人科学会は、この指針が以下の通り変更になったことを発表しました。
・軽症や無症状の場合は、内服を継続してよい
・入院を要する中等症、重症例では中止する
WHOを含む海外の多くの報告から、コロナ感染の血栓症のリスクが有意に高くないこと、ホルモン剤使用が血栓症を増やすという証拠がないこと、経口避妊薬を中止したことで予期せぬ妊娠が増加したことが示されています。
新型コロナウイルスワクチン接種に関しましても、以下の理由から休薬の必要はないとされました。
・ワクチンとホルモン剤による血栓のメカニズムは異なる
・ワクチン接種による血栓症がホルモン剤で増えるというデータはない
ただし、いずれにしても血栓症が疑われる症状が出た場合には、すぐにホルモン剤の使用を中止し、かかりつけ医にご相談してください。